最近義務化されたストレスチェック制度とは?
最終更新日 2023年1月20日
- 最近耳にするストレスチェック制度って何?
- ストレスチェックといっても、何をすればいいのかわからない・・
こうした声が当事務所に多く寄せられています。
実際、ストレスチェックに馴染みのない方は多いようです。
ストレスチェック制度とは?
ストレスチェック制度とは、労働者に対する検査(ストレスチェック)の実施、検査結果に基づく医師による面接指導の実施、面接指導結果に基づいて事業者が行う就業上の措置などの一連の取り組みをいいます。
労働者の健康状態を把握し、メンタルヘルス不調に陥る前に対処するため、平成26年に労働安全衛生法等が改正され、平成27年12月1日の施行により、事業所には、従業員の心理的な負担の程度を把握するための検査であるストレスチェックが義務付けられました。
事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内に1回、医師等によるストレスチェックを行わなければなりません。
但し、常時使用する労働者が50人未満の事業所に対しては、当分の間努力義務にとどまるものとされています。
なぜ行うの?
ストレスチェックの目的は、うつ病等の精神疾患の発見ではありません。
ストレス状況の理解によりメンタルヘルス不調を未然に防ぐという一次予防にあります。
この一次予防はきわめて重要です。
なぜなら、一次予防できないまま、うつ病などのメンタルヘルス不調者が実際に現れる段階になると、もはや従業員の心理的負担を軽減するだけでは足りず、従業員の休業や他の従業員へのしわ寄せ、場合によっては、過労自殺や労災、損害賠償請求といった事態になりかねないからです。
プライバシーは守られるの?と聞かれたら
ストレスチェックは、一般健康診断とは異なり、プライバシー保護の観点から、検査結果は、医師等から労働者に直接通知されます。
また、検査結果は、労働者本人の同意なくして事業者に提供されることはありません。
ストレスチェックはどこに頼めばいいの?
ストレスチェックは、自社が産業医を選任している場合は、その産業医に頼むとよいでしょう。
産業医がいない場合は、この機会に産業医を選任し、併せてストレスチェックもお願いするか、又は、ストレスチェックを行う業者に外部委託するのも手です。
検査結果をどう活用すべき?
事業者は、ストレスチェックの検査結果を通知された労働者の申し出があれば、医師による面接指導を実施しなければなりません。
さらに、医師による面接指導の結果、事業者は、医師の意見を聞いたうえで、その労働者の就業の場所の健康や作業の転換、労働時間の短縮など適切な就業上の措置を講じなければなりません。
ストレスチェック導入を機に職場のメンタルヘルス対策を
ただ、ストレスチェックは、職場のメンタルヘルスの一部分にすぎません。
ストレスチェック導入を機に、職場のメンタルヘルス対策や、メンタルヘルス不調の従業員への対策全般をお考えの方は、就業規則の修正や万一の訴訟の対応等に備え、労務に詳しい顧問弁護士を付けておくことをお勧めします。