企業が労災隠しをすると大変なことに!
最終更新日 2023年1月13日
労災認定されると、企業側には様々なデメリットが生じます。
また、労災関係の手続は煩雑です。
なので、企業側は労災を隠そうとしたくなるところです。
しかし、結論から言うと、労災隠しをすべきではありません。
企業ににとっては、以下のとおり、労災認定のリスクよりも、労災隠しのリスクの方が大きいといえます。
労災隠しの大きなデメリット
労災も問題ですが、労災隠しはもっと問題です。
まず、労働者にとって、労災保険の手厚い保護を受けにくくするという大きな弊害があります。
また、企業側にも以下の大きなデメリットがあります。
①刑事罰のおそれ
事業者は、労働者死傷病報告を労基署長に提出しなければなりません(労働安全衛生法100条等)。
労災隠しとは、事業者が労災事故の発生を隠すために、労働者死傷病報告を故意に提出しなかったり、虚偽の内容を記載して提出したりすることであり、この場合、会社や幹部に50万円以下の罰金が科されます。
②ブラック企業とのレッテル
労災隠しは、何よりも違法行為であり、巧妙で弊害が大きく悪質ですので、労災隠しが発覚したり、刑事罰を受けたりした企業は、「ブラック企業」とのレッテルを張られます。
それだけでなく、取引先や従業員の信用を大いに失い、企業存続すら危ぶまれるかもしれません。
そもそも労災を起こさない職場作りを
このように、労災隠しは、違法であるばかりか、労働者のみならず企業側にとってデメリットが大きいので、すべきではありません。
そこで、そもそも労災隠しをしなければならないような事態に陥らないように、労災が発生しにくい職場を作るのが正しいやり方であり、しかも、結局のところコストがかかりません。
そこで、労務に強い弁護士を入れ、労災を未然に防ぐ体制を作ると同時に、将来万一労災が発生した場合に備えることが大切です。
労災を機に、労働トラブル予防を
労災の発生は氷山の一角で、労務管理全般に問題があるかもしれません。
労災の発生を機に、労務に強い顧問弁護士を付け、労働トラブル全般を予防することをお勧めします。