パワハラを受け休業したとして賃金を請求する問題社員と交渉し、少額の金銭で退職させることができた解決事例

最終更新日 2024年8月28日

ご相談

美容室を営むX社は、従業員Y(20代・女性)から結婚等を理由に2か月後に退職したい旨の申し出があったことから、Yとの協議の末、Yの退職の要望を受け入れました。

しかし、その後、Yが、退職に関するX社との協議の際にパワハラを受けるなどして生じた不眠等の症状により働けなくなったなどと主張して仕事を休み出すとともに、弁護士を介し、X社の責めに帰すべき事情により休職を余儀なくされたとして仕事を休んでいる間の給与や慰謝料の支払を求めてきたことから、どのように対応すべきか不安になり当事務所に相談に訪れました。

当事務所の対応

退職に関するX社とYとの間の協議の状況についてX社から事情を聴取したところ、協議の中でのX社の言動は、法的にパワハラと評価されるものとは認めがたいもので、Yが仕事に来なくなったのはYの自己都合による無断欠勤であると判断できるものでした。

そのことから、当事務所は、Yが欠勤中の給与支払を求める理由として主張する事情を一つ一つ反駁し、毅然とした態度で、Yの要求には応じないことを書面をもって明確に示しました。

その後も代理人間での交渉は数度なされましたが、Yからは、退職に関する協議内容や欠勤中の給与支払に関する法的な評価についてのX社の主張に対する明確な反論はなく、要求もどんどんトーンダウンしていきました。

当事務所の対応の結果

その結果、当事務所は、Yの当初の請求額を大幅に減額させることに成功し、少額の解決金を支払うかわりにYに有効に退職してもらうとの内容の合意を交わすことができました。

解決のポイント

退職を巡って会社と従業員の関係がこじれている場合、事案によっては、従業員が対応した会社関係者の言動を巡って会社に対して金銭的な要求をしてくる事態が生じることがあり得ます。

そのような事態が生じたときに、会社が弁護士に相談することなく対応すると、かえって従業員との関係を余計こじらせてしまうということにもなりかねません。

本件では、紛争が生じた当初の段階から当事務所に相談いただいたことから、紛争の早い段階からYの法的に相当でない過大な要求に対して有効な対抗をしていくことができ、結果として早期に適切な解決を図ることができました。

従業員の退職を巡ってもめ事が生じたときには、転ばぬ先の杖として、当事務所に早期に相談していただくことをお勧めいたします。

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